コントローラー委員会


コントローラー委員会は,正しい臨床試験のあり方・進め方を考えそれを実践するため,行政および製薬会社より独立した組織として,これに強い関心と義務感を有する有志によって,1970年より活動を開始し,1972年に正式に発足した.


1.委員会の構成

コントローラー委員会は行政や製薬会社からの独立した公平な第三者の立場をとる任意団体である.

構成メンバーは,臨床医学,臨床薬理学,統計学の専門家及び弁護士等から成り,各々の専門を活かしつつ,互いに協力し討議を重ねながら運営している.


2.委員会の目的

委員会は,倫理的・科学的に適切な臨床試験(市販後調査を含め)のあり方を考え,それを実践することを目的としている.

(1)治療法や治療薬剤の有効性・安全性・有用性について臨床試験の公平性を維持すること

(2)臨床医学,処方学,臨床薬理学の観点からの質の高い臨床試験を考え実践すること

(3)被害者の基本的人権の立場に立って,臨床試験が論理的にも法的にも受け入れ可能なものとすること

(4)臨床試験に関する方法論・成績・ガイドラインについて調査研究を行い,適切な情報を提供していくこと

(5)臨床試験によって得られた情報すなわち薬効,副作用,試験方法,統計方法等のデータは公表することが科学的かつ倫理的であり臨床医学の向上に不可欠と考え,論文の公表を義務としていること

(6)これらにより最終的に臨床試験が適切に行われ,それを通して日本人の健康の維持・増進に寄与すること


3.委員会の活動分野

(1)比較臨床試験への参加

1)前臨床試験のデータを調査・評価して,必要であれぱ追加資料の必要性を指摘する.

2)臨床試験のプロトコールをチェックし,場合により変更を助言・勧告する.

3)インフォームドコンセントの取得に関して必要と考えるときは治験グループに適切なアドバイスを行う.

4)治験薬と対照薬との識別不能性を検討し記録する.

5)治験薬と対照薬の中から無作為に薬剤サンプルを抜き取り,また包装等を含め識別不能であることを点検する.

6)ランダム割付及びキーテーブルの保管

7)任意に抜き取った薬剤についての製剤試験を第三者機関に委託する.

8)治験の進行状況を把握し,治験に関する各種会合に参加し必要があれぱ助言する.

9)脱落・中止例や除外例を含めた症例の取扱いについての協議に参加し,適切な統計解析方法を助言する.

10)臨床試験のデータを受取り,調査表との照合を行い,不変更を確認する.

11)中立の立場からデータを統計解析し,最終データを保管する.

12)論文が最終的なデータに基づいて正確に書かれているかどうかをチェックし,試験薬の評価についてレビューを行う.

(2)臨床試験の方法論の調査研究

(3)データ収集及び解析の新システム及びプログラムの研究開発

(4)臨床試験と新薬の許認可における倫理問題・法律問題・ガイドラインなどの調査研究

(5)臨床薬理・臨床医学・統計解析の研究

(6)市販後調査の適切な実施に関する研究と実行

(7)その他の委員会の目的達成のために必要とされる活動を行う


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