編集後記


臨床評価 1984; 12(3): 837より

編集部より投稿者に対してお願いしたいことがある。

@ 本誌に掲載される論文の多くは、新薬の薬効判定、あるいは既販売薬の適応拡大のための申請材料に用いられている。それだけに、 資料やデータの正確さが強く要求される。治験が行われ、データがfixされ、keyが開かれて論文の執筆が始まるわけであるが、解析データ が最終的に決定されるまでには、かなりの時間がかかる。また、新たな層別を行うことによって、改善率や副作用に新しい知見が加わる こともある。基本的なデータはコントローラー委員会の解析システムから打ち出されている。投稿論文の段階で委員会では念入りな データチェックが行われ、データが妥当であることが確認された上で、その論文は、コントローラーその他の編集委員に送られる。内容、 表現、解釈に対して、それぞれの委員が意見を述べ、ある場合には訂正を要求したり、再度のデータチェック、さらには、オリジナルの プロトコールに当ることがある。

そのようにしてacceptされたものが印刷にまわるのであるが、ゲラの初校の段階で、著者側から、かなりのデータの訂正が起こることがある。 これは誤植の訂正ではなく、基本データの訂正であるので、重大である。その訂正分について、委員会で再びチェックすることもあるが、 チェックなしに訂正原稿がそのまま印刷になってしまうこともある。委員会として、あとで、訂正した旨のコメントを要求することもあるが、 いずれにせよ、まぎらわしい事態といえる。今後の投稿にさいしては、できるだけ完全原稿とし、図表も完成されたものであって欲しい。 そのほうが印刷もはるかに速く進むからである。

A 原稿中のデータについては、解析者の名称を入れて、できるだけ、そのデータの責任の所存を明確にしてゆきたい。これは、編集委員 一同の要望でもあるので、ぜひご協力をいただきたいと思う。(亀山正邦)


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